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インドの神は【苦行】好き!? 『インドの神話 マハーバーラタの神々』〜ブックレビュー〜 [霊界・神話・伝説]

 今更ながら、インドの神話に手を出してみました。上村勝彦著『インドの神話 マハーバーラタの神々』のご紹介です。


インド神話―マハーバーラタの神々 (ちくま学芸文庫)

インド神話―マハーバーラタの神々 (ちくま学芸文庫)

  • 作者: 上村 勝彦
  • 出版社/メーカー: 筑摩書房
  • 発売日: 2003/01
  • メディア: 文庫



 私は今までにもキリスト教やイスラーム、北欧神話あたりの宗教・神話には触れてきました。でも、インドの神話について詳しく読んだのはこの本が初めてです。世界の宗教を知るうえで、やはりインドの宗教は外せないですね。


 この本では、インド・アーリヤ人最古の文献『リグ・ヴェーダ』における神々と創造神話の紹介を導入に据えて、二大叙事詩『ラーマーヤナ』と『マハーバーラタ』の記述を中心に初期ヒンドゥー教神話を語っていきます。


 もっとも、『ラーマーヤナ』も『マハーバーラタ』も原書は大長編であるため、取り上げられるのはほんの一部の物語です。それでもインド神話の世界観というのはとても興味深く、語られる神々の性格も物語の筋も、バラエティに富んでいました。


 興味深かったのは、叙事詩を土台にしている性格上、それが史実であるかどうかは別にしても人間の歴史の中に神々が入り込んできているというところです。神々と人間がある種同じ空間にいて、相互に介入しやすい関係にあるという印象を持ちました。当時の(あるいは今も?)インドでは神々は人間の身近にいる存在だったのでしょうか。


 インド神話に特徴的だと思ったのは、神でも悪魔でも人間でも【苦行】を行うことで神々でさえ脅威に感じる凄まじい力(威光・テージャス)を得ることができて、そのたびにブラフマー(梵天)などの神がその者の願い事を叶えるという構造ができていることです。


 ある人間(聖仙・バラモン)が苦行によって力を得ることをおそれた神が、彼に色仕掛けをして苦行の邪魔をしたり、苦行で梵天によって無敵の力を与えられた悪魔が世界を危機に陥れたり、そんな物語がたくさん紹介されていました。これが苦行を積むことで世界を保っている人々=バラモンが最高の地位にいるインド社会の根底にある思想なのでしょうか。


 本書では、様々な神々の物語を紹介した後、独立した章でヴィシュヌ神の十種の化身物語を紹介し、さらにその内のクリシュナの物語を独立して紹介しています。


 神話に関する言及に終始しているため、インドの思想、哲学まで掘り下げた問題は扱っていませんでしたが、それでもインドの世界観を知る入門書には適した一冊だと思いました。


 どの神話でもそうですが、こういった不思議で突飛な物語は読んでいて常に新しい刺激を与えてくれます。また、昔から語り継がれてきた「物語の典型」を数多く学べるテキストでもあります。神話からいろんなものを吸収して、自分の生き方や創作に役立てていけたら幸いです。


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