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オモシロアリの研究 [小噺・小ネタ]

 このほど、M大学の研究チームが、オモシロアリの交配に関する研究の成果について発表した。


 オモシロアリとは日本の東北地方に生息するアリの仲間で、昆虫の体節を大きく三つに分けた頭部・胸部・腹部のうち、頭部だけが白いのが特徴の種である。和名の由来は、まさに頭の部分、つまり面(おも)が白いというこの特徴から命名された。


 さて、ここに別の種類のアリがいる。和名をオジロアリという。こちらは南米に生息するアリで、もうお分かりと思うが三つに分けた体節のうち腹部だけが白い。なぜハラシロアリとならなかったのか気になるところだが、尾っぽの方が白いのだから、見た目としてはしっくりくる。


 M大学のチームの研究というのは、この二種の交配だ。頭部だけが白いアリと腹部だけが白いアリ、このアリ同士を交配させたら、果たしてどんなアリが生まれるのか。この研究をくだらないと思うか、興味深いと思うかは人それぞれだろう。


 チームリーダーである八田教授は、この研究のために南米に飛んで希少種であるオジロアリの検体をアマゾンの奥地で千体以上も採取したというから涙ぐましい。


 苦節二年、様々な角度からの研究の末、ついに交配に成功し、生まれたアリは皆様のご想像通り、頭部と腹部が白い、全く新しいアリとなった。そしてこのほど、このアリが新種として認定され、世の人々の知るところとなったのだ。


 ここで議論となったのが、新種のアリの名称である。命名権はリーダーである八田教授が持つことになったが、悩んだ彼はチームのメンバーと話し合うことにした。ここで事態は思わぬ方向へと進むことになる。


「やっぱり、オモシロアリとオジロアリのあいのこなんだからオモオジロアリ(面尾白蟻)でいいんじゃないでしょうか」サブリーダーの熊井助教授が発言した。
「オモオジロアリだと間延びするな。それに、どちらに白がかかるのかわかりづらい。どっちも白いのが分かりやすいようにオモモオモシロアリ(面も尾も白蟻)にしたらどうだ」年長の陰浦教授が言う。
「なんだか早口言葉みたいでいいにくいですよ。それにもっと間延びしてるじゃないですか」熊井が反論する。
「胸部だけ黒いんだから、いっそムネグロアリ(胸黒蟻)ならどうです」
「それじゃ、白くなった意味がないだろう。クロアリって何だ、クロアリって。普通のアリじゃないか。特徴は白い方なんだから。それにムネグロって、なんだかいやらしい感じがする」
「あっしは胸は白い方が好みですけどね」
「何の話をしてるんだお前は。脱線するな」
「白黒だからパンダアリ!」
「それならシマウマアリでもいいでしょ!」
「違う生物の名前を入れるな!ややこしくなるだろ!」
だんだんと収拾がつかなくなってきて、八田は頭を抱えてしまった。

 と、そのときだった。研究室のドアがバタンと開いて、急報を持った助手の与田が現れた。

「大変です!八田教授!」
「どうしたんだい与田君、そんなに慌てて」
「ハワイ島で胸部だけが白い新種のアリが発見されたそうです!」
 この言葉に研究室がどよめいた。
「八田教授!次の研究が決まりましたね。このアリに、その新種のアリを交配させましょう」興奮気味に熊井が言う。
「いや、やめよう。成功したら、ただのシロアリになっちまう」


 勘のお強い方なら初めから、鈍い方でも半分ぐらいから分かっていたと思いますが、頭からお尻まで全部作り話です。エイプリルフールということで、こんな話にまとめてみました。いかがだったでしょうか。


 もうちょっと膨らませたら新作落語でいけないかなぁと、ちょっとだけ思っています。八田教授と熊井助教授って、八つぁんと熊さんなんですけどね。


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