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小篇「同じ顔の男」タイムマシーンのショート×3(没ネタ供養その2) [小噺・小ネタ]

 目の前に自分と同じ顔の男が立っていた。


「お、驚いてるな、オレ、明日から来たお前なんだぜ」


「は、いやいや、え、なに?」


「信じられないなら教えてやろう。今朝お前は大便をした時に途中で紙がなくなって、慌ててお母さーん!って叫んだだろう」


「いや、そういうのいいから。え、なんで?なんで明日から来た?」


「ん?まだ信じてないな?じゃあ昨日の夜、お前はタンスの角に足の小指をぶつけて…」


「いやいやいや、なにおかしなこと口走ってるんだよ。分かったから落ち着け。なんだよそのテンション、明日のオレそんなキャラかよ」


「なに?まだ信用できないって?お前は昨日の昼間、片思いのゆきえちゃんに告白して、『キモいんだけど』って言われて玉砕して…」


「いや、知ってるよ!分かったから。信じてるから。オレ昨日から散々なんだよ!お前に言われるまでもなく、オレの今の気分は最低なんだよ!」


「お、ようやく信じてくれたか、いや実はな、お前は明日、下校中にタイムマシンを見つけるんだ、そのタイムマシンは自分が生きてる過去ならいつでも戻ることができて…」


「だ、か、ら!なんで今日なんだよ!」


「え?」


「全部起きたあと!告白も!タンスの角も!紙がなかったのも!全部起きたあとなの!普通さ、こういうのって何か悪いことが起こる前にさかのぼって過去の自分に忠告したりして、未来を変える的なやつじゃん!なんで全部起こったあとの今日に、お前は来てるんだよ!」


「いやお前が気落ちしてるのオレ知ってたからさ、明日こんないいことがあるんだぞ〜って教えてあげたくて」


「やり直ーし!お前の優しさはわかった。オレはお前に救われたよ、ありがとう。でも今すぐ戻れ!さっさとタイムマシンまで戻って昨日に戻れ、いいな!昨日の朝だぞ!」


「いや、実は戻り方の説明書、読むの忘れちゃって、戻れないんだ」


「オレほんとバカだー!」

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