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小篇「デタラメだらけ」政治家のショート×3採用ネタ [@与太ガラス]


「全くのデタラメだ」


 D大臣は力強い口調で答えた。自分に対する不正献金疑惑で、週刊誌が現場を押さえたとスクープ記事を書いた。しかしそれは事実無根。料亭になど行っていないし、Y社の社長とも会っていない。もっと言えば、私にはアリバイがあった。


 デマと分かっているゴシップほど滑稽なものはない。真実が分かった時には野党の失策になる。おかしすぎて厳粛そうな顔を作るのが大変だったほどだ。


 数日後、D大臣の不正献金疑惑は週刊誌記者のでっち上げだと分かった。野党は追及の矛先を失い、気勢を削がれ、世間からも批判された。


 D大臣はしたり顔で家に帰ると、妻が鬼の形相で立っていた。


「どうした、恐い顔をして」


 妻は無言のまま、D大臣にスチール写真を差し出した。そこには、D大臣と若い女性との密会現場が写っていた。写真の日付は、あの不正献金疑惑と同じ日だった。


 D大臣は苦しまぎれに言った。


「全くのデタラメだ!私はその日、料亭でY社の社長と会っていたんだ!国会では上手く逃げたが、あのゴシップは本当だったんだ!」


 すると奥の扉が開く音がした。


「これはこれはD大臣、貴重な証言をありがとうございます。おかげでいい記事が書けそうです」


 そこにいたのは、不正献金疑惑の記事を書いた記者だった。

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