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中世ヨーロッパ・騎士物語 ブログトップ
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主役としての弓【ロングボウ】 [中世ヨーロッパ・騎士物語]

今回は飛び道具の代表格「弓」について話します。
一口に弓と言っても、これまた色々あって、ショートボウ(短弓)、ロングボウ(長弓)、クロスボウ(弩、弩弓[いしゆみ、おおゆみ])と、それぞれ形状や特性が違います。

弓は古くから狩猟などで使われ、長く飛び道具の代表格として使われ続けてきましたが、中世初期のヨーロッパにおいて、弓兵はあまり重要な戦力ではなく、身分の高い人たちが戦場で弓を射ることはあまりありませんでした。騎乗の戦士が弓を持つことがなく、当時はたいした射程も持たなかったので弓兵はなかなか活躍できなかったんですね。

それが大きく変わったのがーー以前にも取り上げましたがーー、第一回十字軍でした。セルジューク・トルコ軍の騎馬弓兵から機動力を持った弓の脅威を教えられた西洋人達は歩卒身分を騎兵化し、軽装騎兵を取り入れたのです。

そして、弓兵部隊の集大成的な意味を持つのが歴史に名高いクレシーの会戦(1346年)です。この戦いはフランスの王位継承権を巡るフランスとイングランドとの戦争、百年戦争(1337−1453)の一局面として大きな意味を持った会戦です。ここで弓兵は一躍主役に躍り出たのです。

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十字軍〜戦術の伝播〜 [中世ヨーロッパ・騎士物語]

大学に入って勉強していると、知らないこと、間違った認識をしていることがよくあります。その度にまだまだ勉強不足だなと痛感するのですが、今までモヤモヤしていたことが分かって感動したり、あるいは自分の考えとあまりにもかけ離れた現実を見せつけられて落胆したりと、両方の面で言い刺激を受けています。

西洋史専攻ですので、もちろん歴史関係のことが多く、特に悩まされるのは、最新の研究動向でもある中世の西欧と東方世界の関係です。

中世における東西の関係で忘れてならないのはやはり十字軍でしょう。私は以前から「十字軍なんて聖地奪還とか言ってるけど、異教徒に対してなんの寛容性もない野蛮な戦闘集団じゃないか」などと、ひねくれた印象を持っていたのですが(この考え自体は基本的に今でも変わっていませんが)、実際には東西の交流という面で大きな役割を担っていました。

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進化する槍【ビル】〜槍のいろいろ2〜 [中世ヨーロッパ・騎士物語]

前回はスピアーとランスについてお話ししました。今回は特定の用途を与えられて穂先の形状が変化した「進化した槍【ビル】」を紹介します。

13世紀頃には武器として姿を見せ始めたビルは、農具として使われていた「ビルホック」という鎌に起源があるといわれます。刺突するための鋭い先端と、相手を引っかけるための鈎爪から成ります。
☆新紀元社『武器屋』より15世紀頃の一般的な形の「ビル」

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ランスとスピアー~槍のいろいろ1~ [中世ヨーロッパ・騎士物語]

尖った穂先を持ち、突き刺して使う長柄の武器を槍といいます。それ自体はもっとも古くから使われている武器の一つでしょう。ですが、その用途や穂先の形は時代や戦略の違いによって実に様々です。

英語で槍というとスピアーと言ったりランスと言ったりして、これってどう違うんだろう、と思ったことがある人もいると思います。私もその一人です。
一般に歩兵が使う槍をスピアー、騎兵が使う槍をランス【騎槍】と呼ぶそうです。以前紹介したグングニルの槍は投槍ですね。

☆馬上槍試合で使われたのもランス。

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中世フランスの騎士~ブックレビュー~ [中世ヨーロッパ・騎士物語]

中世フランスの騎士

中世フランスの騎士

  • 作者: ジャン フロリ
  • 出版社/メーカー: 白水社
  • 発売日: 1998/08
  • メディア: 単行本


ちょっとマニアックな本で、内容も難しかったので、全部は理解できませんでしたが、何とか読みきりました。作者はフランス人で訳者は新倉俊一さん。

文庫クセジュは初めて読んだんですが、なぜかすごく脱字が多くて困りました。訳し方も私に合わなかった(読書力が足りないだけ)ので初めのうちはかなり読むのに苦労しました。

騎士が身分として確立される過程や、教会と騎士、貴族身分と騎士の関係など内容は幅広く、騎士についてかなり細かいところまでわかりました。一口に騎士と言っても、時代によってさまざまに性格を変えていて、面白いと思ったのは騎士物語の価値観が現実の騎士に影響を与えたというところです。騎士の紋章や騎士団は物語に想を得て生まれてきたというのです。
文学が世の中に与える影響を考えるのも面白いですね。

これからこの本もブログのネタ本になりそうです。


中世のトーナメント [中世ヨーロッパ・騎士物語]

トーナメントと聞くと、今では勝ち抜き戦を思い浮かべる人が多いと思いますが、その元となった中世ヨーロッパのトーナメントは今とはだいぶ趣が違うものだったんです。

中世のトーナメントは城や町などで開かれる模擬戦闘の総称で、戦争のない時期に騎士が腕を磨く訓練の場であり、また無名の騎士が武功を立て、自分をアピールする絶好の機会だったのです。

トーナメントが始まってしばらくは非常に実践に近く、多くの死傷者が出る危険な競技でした。そのため教会は人道的立場から、王や諸侯は優れた戦士が失われる危険性から禁止を呼びかけることも多かったそうです。時代が下るにしたがって、ルールが整備され、使用される道具も負傷する危険が少ない安全なものが作られるようになりました。

トーナメントには1対1の個人戦と大勢で行う団体戦の二つの試合形式があります。今日は個人戦について紹介しましょう。

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アーサー王との出会い [中世ヨーロッパ・騎士物語]

私が初めて読んだアーサー王物語はこの小説でした。

アーサー王と円卓の騎士—サトクリフ・オリジナル

アーサー王と円卓の騎士—サトクリフ・オリジナル

  • 作者: ローズマリ サトクリフ
  • 出版社/メーカー: 原書房
  • 発売日: 2001/02
  • メディア: 単行本

いわゆる「サトクリフ版」と呼ばれるものです。私がこの本を読んだのは3年ほど前ですが、小説なので非常に読みやすく、自然にアーサー王の世界に入って行けたのを覚えています(そのおかげで私が想像するランスロットは不細工なのですが)。

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